山脇オサムです。
前回も紹介したラウル・ミドン。
さらにヤバイ動画です。
アコースティックギター1本でレゲエのグルーヴを出す、という演奏はよくありますよね。
8分裏にアクセントを付けてその合間にベースラインを入れるっていう。
でもこの動画は僕がこれまでに見た「一人レゲエグルーヴ」の中で一番クオリティと表現力が高いと思います。
ポイントはもうたっくさんあるんですけど、まずはアクセントとなる「8分裏」、まさにレゲエグルーヴの要となる部分をストロークで弾いてパンチを効かせてる、というところです。
そこ以外のコードは手のひらで弦を叩いて音を出してるので、そのダイナミクスの差がめちゃめちゃかっこいいんですよね。
前回の動画でもアクセントの時は弦を叩くんじゃなくてストロークでしたもんね。
やっぱり「ちょっとアクセントを付けてる」くらいの意識じゃダメなんですよね。このくらいハッキリとダイナミクスの差をつけて初めてノリが出るんだなって感じます。
「ありがとう」って思うだけじゃなくて言葉で言われなきゃ分かんないじゃん!っていうシチュエーションによく似てますね。
いつも御飯作ってくれてありがとう、いつも追い焚きしてくれてありがとう、いつも分かりやすいところにリモコン置いてくれてありがとう、ってちゃんと言わなきゃダメだぞっていう事です。
次のポイントは見落としがちなんですけどすごく大事なところで、出だしのセクションでは常に右手が16分のリズムで動いてる、というところです。
パッと聞くと8分のビートに聞こえるんですけど、実は細かい16分のゴーストノートが入ってるのでグルーヴにスピード感があるんですよね。
スピード感って言うと少し違う表現かもしれないんですけど、何て言うんでしょう・・・キレがあるというか、粒が細かいというか、そんな感じです。
完全に8分でやるともう少しゆるいグルーヴになるんですよね。
グルーヴの話はどうしても抽象的な表現になっちゃうんですけど、イメージ的には8種類の具材を使って作るチャーハンと16種類の具材を使って作るチャーハンの違いです。
パッと見は同じチャーハンです。
でもよーく見ると16種類の具材を使った方にはゴーストノート的な隠し味が入ってるっていう。どっちが好きかはその人の好みです、お好きな方をお召し上がりください、みたいな。
「ノリ」という目線で考えるとここはめちゃくちゃ大事なんですよね。
もう1つだけポイントを言うと、0:30からのセクションのベースラインです。
ピンポイントで言うと0:40のベースラインが一瞬3連リズムになるところです。
こういうところグッと来るぅ~!!!センスあるぅ~!!!
コードは8分の裏で出しながらベースラインを3連で弾く。
文章で書くとめちゃめちゃ難しそうですけど、実はやってみると意外とできます。
親指の3連の動きとそれ以外の指の8分裏の動きの「組み合わせ」をじっくり確認してからやるんです。
「ここがこう来た時に親指のタイミングが来るんだな・・」っていう。
そうすると「あ、こういう感じね」というハマり感があるのでそれを練習するとあっさり弾けると思います。
ホントはもっともっと書きたいんですけど、この3つのポイントを意識して弾くだけでもかなりギターは楽しくなると思いますよ。
ちなみに「耳コピのレシピ」を実践にしている方はこの曲をコピーしてみてください。ヒントは「落ち着いてる着地コードは6度マイナー」です。