山脇オサムです。
「アドリブしてる時って何考えてますか?」という質問があったのでちょっと考えてみたんですけど、やっぱり曲の雰囲気とか「どう魅せるか」によって全然違うんですよね。
感覚でガンガン弾きまくる事もあれば音を冷静に選びながら弾くときもあるし、その中間で行ったり来たりしているときもあるんです。
スローでメロウな曲の場合はコード展開をかなり意識して弾きますし、逆にバリバリのロックな曲だったら多少コード展開があったとしてもコードトーンとかあまり気にせずに本能のままにペンタ一発を弾きまくる事もあります。
でも「本能のまま」と言ってもこれまでの経験や知識からある程度の枠がふんわりとあってその中でガンガン弾いてる感じなんですよね。
なので無意識で弾いてるようで、実はコードやスケールがチラついてるんですよね。
完全に真っ白なキャンバスではなくて、塗り絵みたいに初めから枠が書いてあるんです。
で、その枠内を、
「どんな筆でどんなタッチで弾いてどんな色に塗ってやろうか?」
「それともあえて枠をはみ出してめちゃくちゃにしてやろうか?」
「逆に何も塗らずに放置してやろうか?」(これが一番変態)
みたいな感じで遊ぶんですね。
もう職業病というかこれまでの経験からどうしてもそうなっちゃうんです。
無意識に弾いてるようでも結局は自分の中に枠があってその枠をどうしても意識しちゃってる、というのがニュアンス的には当たってるかも知れませんね。
で、この枠が人によって違うと思うんです。
キャンバスいっぱいにいろんな形の枠がある人もいれば(いろんなスケールを使ったフレーズ)、真ん中にシンプルな枠がポンっとある人もいる(王道フレーズ)。
逆に、隅っこに見たこともない枠が無造作に置いてある人もいる。(変態フレーズ)
これがその人の演奏スタイルになんですよね。
上級者になれば枠がないところでも上手く描くけるようになるんですけど、やっぱり最初は枠がないと難しいと思います。
アドリブのイメージってそんな感じなんですよね。
アドリブの枠は弾けるフレーズや知ってるスケールで決まるんですけど、やっぱりその中で一番の基礎となるのは「スケールの使い方」です。
ここが分かると、鉛筆で書かれた薄くてぼんやりした枠が油性マジックで書かれた太くて見やすい枠になるのでアドリブにも自信が付いていきます。
そして、枠ができると意図的に枠をはみ出すことができる!というのもナイスなポイントです。