
札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
先日の休みに昼過ぎに思い立って富良野に行ってきました。道路は出てても山側はまだソリ滑りができそうなほど、畑にはソフトに雪が残っていてそこを通る時はひんやり。鹿も現れ、この時期ならではの不思議な感じでした。
さて、今回は最近の製作例です。あらかじめ余白のあるエフェクターボードを製作させていただきました。
先々、追加したいエフェクターの存在があるということで、今回はこのようなカタチでの納品、追加予定サイズを出しての製作です。
製作の途中、過程が見える製作例、とも言えなくもないかな、と思います。いつもこんな感じで作ってます、って途中経過を撮ればいいのですが、集中の果て、気づいたら完成している、という私です…。
最終的な打ち合わせでエフェクターは 2 つ追加予定となりましたのでスペースを空けております。エフェクター追加にあたってはパワーサプライの追加も必要となるため、かさ上げ台はあらかじめの strymon / Ojai R30 W 仕様。
エフェクターボードは当初は ARMOR / PS-2C でしたが、追加予定のエフェクターがどうしても入らないため、奥行のみプラス 10cm のARMOR / PS-2NB+ となっています。
正面からの図です。
LINE6 / HX STOMP XL が中心となるエフェクターボードです。
ARMOR / PS-2NB+ はマルチエフェクターとエクスプレッション、スイッチャーとワウなど、サイズが大きめなエフェクター+スイッチャー外にもコンパクト数個という場合にとくに適したサイズのエフェクターボードかと思います。
右側面からの図です。
empress effects / COMPRESSOR MK II をはじめ、最近の個人的に異常なまでのお気に入りの UNIVERSAL AUDIO など、入出力端子が筐体上でその中央に DC 端子があるエフェクターも高さをかせいであげるとプラグやケーブルの流れを真下に落とせるので、自然な流れが作れます。
逆にそうしないと上か横にスペースを必要とするのでなかなか接続、組み込み泣かせな形状だったりもします。
エフェクターボードの入口出口は Ovaltone / PRIME GEAR DELUXE です。こちらは 9~18V まで対応のため strymon / Ojai R30 側で電圧のセレクトが可能です。
演奏場所、演奏メンバー、音質、レコーディング時など、状況に合わせて瞬時に切換えができる選択肢がある、というのはバンドをやっている方にはとくに重宝するモノだと思います。
ARMOR は NB 品番のため、ボード下の傾斜に沿って設置面も傾斜するタイプです。NB 品番は奥に設置したエフェクターの操作性も考えられている設計かと思います。すごい。
左側面からの図です。
C 品番のように塀のようなフチがないため、電源ユニット、strymon / PS-124 はボードに直固定で電源ケーブルの接続、取り外しが容易です。
LINE6 / HX STOMP XL から MISSION ENGINEERING / SP1-L6H への接続ケーブルはエクスプレッションペダルの下を潜らせるため、かさ上げ台はそこに合わせて製作しております。
背面からの図です。
どことどこのとは言いませんが、こことここの長さを揃えたいという理由からパワーサプライのかさ上げ台をいつもと違う方法で製作しております。
後の製作前の図面とは少し異なるわけですが、製作途中でこっちの方が良いな、という発見がたまにあり、わずかな変更をすることが稀にあります。間違い探し感覚で比較してみてください。間違いではないんですが。
ここから見ると MXR / TAP のサイズ感がナイスです。
サイズ感、デザイン、色、どれも素晴らしいアイテムだと思っておりますが使用用途がなければ導入できない歯痒さもある、素敵なオプションスイッチです。
何コレ!?ってちょっとなる、驚きのあるスイッチ、アイテムっていいですよね。
先日のメルマガ(→記事はこちら)、インサーションケーブルのお話が実はここのケーブルです。
本体へはステレオ・プラグひとつで接続、そこから中の端子を分けてTIP と RING をそれぞれモノラル・プラグで出しています。
TIP 側を MISSION ENGINEERING / SP1-L6H の OUT 1、RING 側を MXR / TAP へ。
こうすることでエクスプレッションペダルの ON/OFF をMXR / TAP で操作することが可能です。これだけではありませんがペダル付きのマルチエフェクターで慣れている方はこの操作方法の方がお好みなんじゃないか、と思っています。
ちなみに TIP を OUT 1、RING を OUT 2、どちらもエクスプレッションペダルに接続するとワウと同様の感覚、踏みこんで ON/OFF、切換えすることも可能です。
お好みの操作性、ご使用状況に合わせた方法を選択できる、というものでもあります。
エクスプレッションペダルやフットスイッチはステレオ(TRS)ケーブル一本で接続するモノもありますが、今回のエクスプレッションはインサーションで接続、です。
MXR / TAP はスイッチをエクスプレッションのセンター位置で設置していますがお好みによって左寄り、右寄りにもずらせる微調整の幅を持たせてみました。本体中央時はテトリスの便利なカタチのヤツ、みたいなシルエットです。
最終的な図面がこんな感じです。
LINE6 / HX STOMP XL はセンドがステレオ対応のため、インサーションケーブルでリターンにそれぞれ戻すと内部での設定が便利、というすごいスペックになっています。
裏のデザインも端子数ぴったり、このサイズに合わすにはセンド 1、センド 2 で端子 2 つにすると本体デカくしないとならないので、サイズを抑えるためにこうなってるんじゃないか、と思ってしまいます。しかしすごい。
『前回に続き綺麗に組んでいただいたので、ボードを見るたびにテンションが上がります。製作中はこちらの疑問点に対して丁寧に説明していただきありがとうございました。特にTAPスイッチを導入することで、ペダルを前と同じ操作感で使うことができて安心しています。新規製作のボードでのレイアウトが決まった後に「実は将来的に追加したい歪みエフェクターがあるんです…」という急なお願いにも応えてくださり、それも踏まえたものに変更してくださったこと感謝しております。エフェクターの追加の際はよろしくお願いいたします。』
北海道の A 様、本当にありがとうございました!
★ おまけ ★
脳内スッキリ・ツー。
4月23日 PM 17:27 / 往復 234.8km。
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せておりますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら
『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。